皆さんが1度は行ったことのある美容室には、必ずと言っていいほどアシスタントと呼ばれるスタッフがいます。
そんなアシスタントの具体的な仕事内容を知らない方は意外と多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、美容師アシスタントの仕事内容や練習内容、求人を見極めるポイントなどを紹介していきます。
特に就活目前の美容学生に役立つ情報ばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
美容師アシスタントができることって?仕事内容を解説
美容師のアシスタントと聞けば、見習いというイメージで雑用ばかりと思っている方も多いでしょう。
しかし、アシスタントは雑用以外にも美容室を円滑に回す上で、重要な役割を果たしています。
以下では、気になる美容師アシスタントの仕事内容について詳しく解説していきます。
特に美容師を目指している人は、ぜひチェックしてみてください。
電話対応や予約管理などの受付業務
営業中のスタイリストは、ほとんどの時間を入客に費やしているため、電話対応や受付業務などはアシスタントが行うことが多いです。
また、お店のまわし方を覚えれば、お客様の予約管理もアシスタントに任されることがあります。
予約管理はお店をスムーズにまわすだけでなく、売上にも関係してくるため、スタイリストへの報告・連絡・相談が重要になる業務です。
ただ、サロンによっては受付専門のフロントスタッフを雇っていることもあるので、その場合は他のサロンワークに時間を割くことができます。
準備、後片付け、掃除
アシスタントが就職してまず初めに行う仕事は、掃除や施術の準備、お客様が帰った後の片付けです。
「掃除なんて雑用じゃないか」と思うかもしれませんが、店内を綺麗に保ち衛生管理を行うことも美容師の仕事と言えます。
なぜなら、厚生労働省で定められている美容室を運営する条件に、衛生管理を徹底することが含まれているからです。(美容師法第十三条参照)
そのためお店が清潔に保たれていないと、営業自体ができなくなってしまう可能性があります。
また、店内の清潔さはお客様からの口コミに繋がりやすく、お店のイメージにも影響します。
お店を繁盛させるために、準備や掃除などをしっかり行うことも美容師として大切な仕事なのです。
シャンプー
シャンプーはアシスタントになって初めて入客できる施術です。
シャンプーは美容学校でも習得する技術ですが、美容室によって手順やポイントが違います。
そのため、ほとんどの美容室では一番最初にシャンプーの技術チェックから始め、スタイリストのチェックに合格できれば入客することができます。
シャンプーは簡単に思われがちな技術ですが、お客様によって気持ちいいと感じるポイントが違うため、感覚を掴むまでは何度も練習を繰り返します。
また、トリートメントやヘッドスパ、ドライ、ブローも一緒に練習する美容室が多く、慣れてくればシャンプーからドライまでをアシスタント1人に任されることも珍しくありません。
カラーなどのスタイリスト補助
アシスタントはスタイリストの補助として、以下のような施術を行います。
- カラー剤の調合、塗布
- パーマのロッド渡しなどのアシスト、薬液塗布
- 縮毛矯正のアイロン、薬液塗布
これらの施術は基本的にスタイリストの指示に従って行うため、自分で判断することはあまりありません。
ただ、決して簡単な施術ではないため、補助に入るためには美容室ごとに決められたチェックテストを合格する必要があります。
特にカラー塗布は、アシスタント1人で全て任されることもあるので、練習を重ねてスキルを上げることが重要です。
アシスタントの技術練習の内容は?
アシスタントは営業中の仕事だけでなく、スタイリストを目指し技術習得の練習にも励みます。
普段忙しくしている美容室を見ると、「アシスタントっていつ練習してるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
そこで以下では、アシスタントが行う技術練習の項目や詳しい内容を紹介していきます。
練習項目一覧
アシスタントが練習する技術は大きく以下のような項目に分かれています。
- シャンプー
- ドライ・ブロー
- ヘッドスパ
- トリートメント
- カラー
- パーマ
- カット
それぞれの技術はさらに細かく分けることができ、カラーであればファッションカラー、グレイカラー、マニキュア、ブリーチ、ハイライト・ローライトなどを一つずつ練習していきます。
ただ、練習項目の数は美容室によって異なるため、必ずしも美容師ができる全ての技術を習得できるとは限りません。
特にヘアメイクやヘアセット、着付けなどは練習に含まれていない美容室もあります。
練習できない技術に関しては、外部の講習を受けて習得することもできるため、何でもこなせる美容師になることも難しくはありません。
練習はウィッグやモデルで行う
基礎的な技術は専用のウィッグを使って練習を行います。
ただ、ウィッグは技術によっては消耗品になってしまうため、再度自分で購入するか、アシスタントの先輩に不要になったものを譲ってもらうなどでやりくりをするアシスタントが多いです。
また、ウィッグで基礎的な技術を習得した後には、実際にモデルを呼んで練習を行います。
「人で練習するなんて…」と感じる方もいるかもしれませんが、髪質に合わせて薬剤の量や塗布の仕方などを変える感覚を掴むには、実際のモデル練習がとても重要になるのです。
モデル集めは、以前であれば休日に駅前などで街ゆく人に声をかけて集めるのが主流でした。
しかし、現在は予約サイトのミニモやSNSなどで集めることができるようになったので、効率的に練習をできるようになっています。
スタイリストにチェックを受ける
多くのサロンでは、技術ごとにスタイリストによるチェックテストを行っています。
これは、技術がきちんと習得できているかを確認するために行うため、合格できなけれんば次の技術に進めません。
そのため、限られた時間で効率的に練習する必要があり、やる気のある人ほど早くスタイリストになることができるのです。
また、合格した技術が増えれば、スタイリストの補助として入客できる機会も増えるため、実践力も身につけることができます。
特にカラーや縮毛矯正は、アシスタントでも補助できる作業が多く、やりがいも感じられますよ。
練習できるのは営業時間外
アシスタントの練習は基本的に営業前、もしくは営業後に行います。
そのため、営業時間を含めるとアシスタントの1日は長く、慣れるまでは体力的に大変だと感じやすいです。
ただ、アシスタントの同期がいれば大変なことも共有でき、同じ夢に向かって切磋琢磨することができるので、楽しいと感じることも多いですよ。
スタイリストになれるまでは長い?何年かかる?
アシスタントからスタイリストとしてデビューするまでは、平均で3年前後と言われています。
しかし、技術の習得には個人差があるため、1年程度でスタイリストになる人もいれば、5年以上経ってもアシスタントのままという人も珍しくありません。
このデビュー期間の差は、練習量の違いが要因です。
あくまで練習は自主的に行うものなので、2日に1回練習する人と毎日営業前と後に練習をする人とでは、技術の習得速度に差が出てしまいます。
早くスタイリストになる人ほど、休日も練習に費やすほどストイックな傾向にあります。
そのため、スタイリストになるまでの期間は自分のやる気と頑張り次第で、いくらでも変えることができるのです。
アシスタントの給料や休日の相場は?
美容師アシスタントは給料や休みが少ない、なんて話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
特に、これから就活が始まる美容学生であれば気になる項目ですよね。
そこで以下では、美容師アシスタントの月収の相場や待遇などを紹介していきます。
平均的な情報を知っておけば、待遇のいい美容室か判断しやすくなるので、ぜひチェックしてみてください。
月収の相場は12〜17万円
美容師アシスタントの月収相場はおよそ12〜17万円程度と言われています。
新卒のアシスタントはできる仕事の数も少ないため、始めは低めに設定している美容室が多いようです。
ただ、アシスタントの給料は美容室の客単価や来客数、地域性などによっても大きく変わります。
特に都内では、新卒のアシスタントで20万円〜という給料設定になっている美容室も多く見られます。
一人暮らしのアシスタントは生活が苦しくなりがちなので、給料面を重視して就職先を探すことも大切です。
昇給やインセンティブがある美容室もある
月収の相場だけを見ると美容師は安月給だと感じてしまうかもしれませんが、美容室によっては昇給やインセンティブなどがあります。
そのため、日々の業務や練習を頑張って取り組めば、アシスタントでも給料をあげることが可能です。
例えば、技術チェックのテストを合格する度に昇給がある美容室や、お店の目標売上を達成するとアシスタントにもインセンティブを反映してくれる美容室もあります。
手当がある美容室は一般的になっているので、給料アップを目指して業務に励むことも一つのモチベーションとなるでしょう。
休日は月に6〜7日が平均
仕事をする上で、休みがきちんと確保されているのかは重要なポイントですよね。
気になる美容師アシスタントの休日は、平均で月に6〜7日程度です。
これは1ヶ月の間に週2日休みが2〜3回、週1日休みが1〜2回あるという計算になります。
週2日休みが一般的であることに比べると、アシスタントは少なめであることがわかりますね。
ただ、最近では完全週休2日制でアシスタントにもしっかり休みを確保している美容室も徐々に増えてきています。
休みの日が多ければ、その分練習に費やす時間も多くなるので、工夫次第で早くスタイリストになれるでしょう。
アシスタントになる上で大切なことは?向上心を持つこと!
向上心を持つと言われてもパッとしない方も多いかもしれませんが、ハードな毎日を乗り切るためにとても大切な心構えになります。
営業中のアシスタントは、スタイリストの補助から雑務まで、数多くの仕事をこなさなくてはなりません。
それに加え、自分の技術を磨くために練習にも励み、心身ともに疲弊しやすくなります。
そんなハードな日々を乗り越えるためには、何としてもスタイリストになるという向上心が必要になるのです。
また、向上心があれば営業中に指示をもらうより先に、自分で考えて行動ができるようになり、スタイリストからの信頼も得られるようになります。
スタッフ間の信頼関係があれば職場の空気感も良くなり、働きやすい環境になるので、より仕事や練習に身が入るようになりますよ。
美容学生は必見!アシスタント求人を見極めるポイント
これから就活が始まる美容学生の中には、どんな美容室に就職すればいいかで迷うという方も多いのではないでしょうか?
そこで以下では、ここまで紹介してきたアシスタントの仕事や練習内容をもとに、求人でチェックしておくべきことを紹介していきます。
就活で失敗したくない美容学生は、ぜひ参考にしてみてください!
研修のカリキュラムが確立されているか
求人を見極める1つ目のポイントは、研修のカリキュラムがしっかり確立されているかをチェックすることです。
カリキュラムがしっかり確立されている美容室は、アシスタント育成に力を入れているため、スタイリストを目指しやすい環境であると言えます。
一方で、美容室の中にはアシスタントの教育にあまり力を入れず、あくまで自主的に練習をさせるところもまだまだ多いです。
もちろん自主性も大事ですが、一人でもくもくと練習をするよりも、スタイリストがあなたを支え、応援してくれる環境の方がより頑張ろうと思えますよね。
そのため、アシスタント研修のカリキュラムがきちんと確立されている美容室へ就職することが、スタイリストへの近道になるのです。
昇給やインセンティブなど頑張っただけ還元されるか
2つ目のポイントは、昇給やインセンティブなどの還元があるかどうかをチェックすることです。
アシスタントの給料は低い傾向にあり、技術練習の道具を揃えるのも大変になることがあります。
そのため、仕事の頑張りを給料で還元してくれる美容室を選べば、スムーズに練習を進めることができるでしょう。
具体的には以下のような手当やインセンティブがあります。
- 皆勤手当
- 住宅手当
- 残業手当
- 技術手当
- 資格手当
- 店販手当
- 売上達成インセンティブ
どの手当やインセンティブを設定しているかは美容室によって違います。
そのため、給料と合わせてトータルでいくら貰えそうかなども比較して美容室を決めるのもおすすめです。
社会保険が完備されているか
学生であれば、社会保険についてまだよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
社会保険完備と記載されている会社で加入できるのは、健康保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険の4つの保険です。
この4つの社会保険に加入すれば、病気や怪我、出産などで仕事ができなきなったときや、老後の生活を保障してもらえます。
美容師であれば、薬剤などでアレルギー反応が起こり仕事が困難になってしまう可能性がありますが、社会保険があれば、次の仕事が決まるまで給付を受けることができるのです。
自分が習得したい技術のメニューがあるか
基本的にアシスタントが習得する技術は、その美容室で取り扱っているメニューに合わせて練習することが多いです。
カット、カラー、パーマ、縮毛矯正はどの美容室でも習得することはできますが、ヘアメイク、ヘアセット、着付けなどは必ずしも練習項目にあるとは限りません。
例えば、将来的にヘアメイクアーティストとして活躍したい場合、ヘアメイクの技術を習得する必要があるため、ヘア雑誌に掲載されているような美容室を選ぶといいでしょう。
また、着付けを習得したい場合は、成人式の着付けやケアメイクを毎年している美容室がおすすめです。
このように、自分が極めたい技術がある方は、カリキュラムに盛り込まれているかや、施術のメニューにあるかなどをしっかり確認するようにしましょう。
実際に見学に行って店内やスタッフの雰囲気を確かめる
ある程度検討する美容室が決まったら、お店やスタップの雰囲気を確かめるために必ず一度は見学に行きましょう。
実際に働き始めると職場の人間関係や雰囲気が悪く働きにくいと感じることは多くあります。
そんな環境では仕事や練習がうまく進まず、せっかく就職できてもすぐに辞めたくなってしまいますよね。
逆にお店の雰囲気や人間関係がよければ、営業中のスタッフ間の連携がうまくいくだけでなく、スタイリストへ技術指導をお願いしやすくなります。
このような環境であれば仕事も楽しくでき、練習にもしっかり取り組むことができるでしょう。